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 INDEX // Step1:ベーシックグッズ // Step2:イクイップメント // Step3:ウェアリング // Step4:フットウェア
 Step5:パッキング // Step6:キャンプサイト //  Step7:食事 // Step8:ナイトライフ // Step9:キャンプライフ
 Step10:トレッキング // Step11:サバイバル // Step12:撤収 // Step13:メンテナンス

ソフトハウス

 眠っている間も、自らが自然の中にあると感じられる。それがアウトドアの醍醐味。

 

キャンプサイト

 キャンプサイトは、なるべく自然を身近に感じられる静謐な場所を選びたい。

 

テントの設営

 ぼくが普段使用している「モンベルアルパインテント」。テント本体、フライシート、ポール、ペグでワンセット。

 テントの設営場所を決めたら、次は整地。小石などをどけて、なるべくフラットに均す。

 風の流れや光の方向を計算してテントの向きを決める。そして、まず本体を広げる。風が強いときは、風上側に立ってテントを吹き流すような形で地面に置き、先に風上側の角をペグで仮止めしてしまう。

 テントポールをジョイントして所定のホールやスリーブに通していく。

このテントは、本体をH型フレームに吊り下げるタイプなので、まずフレームを組む。

 フレームが組みあがったら、本体のフックをポールに引っ掛けて、テント本体を立ち上げる。

 さらに、本体の上からフライシートを被せる。

 テント本体とフライが密着してしまうと、通気性が落ちたり、防水性が損なわれるので、張り綱にテンションをかけて、本体とフライシートの間に空間を作る。

 このサイトは、岩がちでペグを打ち込むことができないため、張り綱を巻きつけたペグに岩を乗せたり、岩に直接張り綱をしばりつけてアンカーにする。

 テントの設営が終わったら、後は食事を作ってゆっくり寛ぐだけ……。

 

ビバーグ

 天気が良くてキャンプサイトがドライなら面倒なテントなど張らずゴアテックスのシュラフカバー一つでザックを枕に眠る。星空を眺めながら眠りにつけば、きっといい夢が見られる。

 

レイアウト

 快適なキャンプライフを過ごすという意味でも、不測の事態に素早く対処するためにも、テント内は、常に整理して、どこに何があるか、把握しておくこと。真っ暗闇でも必要なものにすぐに手を伸ばしてつかめるような配置が望ましい。

 テント内部の物干し用テープにはヘッドランプを吊り下げて室内照明にしたり、シェラカップなど使用頻度の高い装備をぶら下げておくと便利。

 

オートキャンプ

 

 

 

 

 

Step6 : キャンプサイト

[ INDEX ] 
1.ソフトハウスに眠るということ 2.キャンプサイト 3.テントの設営
4.究極のソフトハウスはビバーグ 5.テント内外のレイアウト
FOR EXAMPLE : 6.オートキャンプの場合

■ソフトハウスに眠るということ■

 キャンピングやバックパッキングの長い歴史を持つ欧米では、日本人の耳に馴染んだ"テント"という代わりに"ソフトハウス"という言葉がよく使われます。寒い外気や強い陽射し、風雨、あるいは外を徘徊する動物や、ときには人間を堅い壁でほぼ完璧に防ぐ普通の住居=ハードハウスに対して、そういった外部環境との境目に柔らかな布一枚しか持たないというのでソフトハウス。

 たとえば、山の中の一軒家に暮らしたとしても、一歩室内に入ってしまえば、しっかりした外壁に守られたその内部は、それは都会暮らしとさしたる違いはありません。でも、ソフトハウスに眠れば、外気の変化、動物たちの気配、きらめく星辰をじかにに感じ、より自然と融合する実感を得ることができます。

 テント生活はたしかに厳しいところがありますが、そこから得られるものは、その厳しさなんて忘れさせるほど豊饒です。

 

●キャンプサイト

 アウトドアでなくとも、住環境の整備というのは誰でも気を使うところです。でも、現代の日本では、完全に満足のいく住宅を作るというのは、物理的にも金銭的にもほとんど不可能に近いことです。そこで、せめてテントくらいは、理想の環境に近い形で設営してみたいものです。なにしろ、テントの最大の利点は、持ち運びと設営の簡単さフレキシビリティなのですから。

 テントを設営する上でまず気にかけたいのは、ロケーションです。キャンプサイトに着いたら、あたりを見回して、自分がいちばん快適と感じる場所を探してみましょう……といっても、サイトによってはけっこう熾烈な先住権競争もあるので、なるべく早い時間にサイトに到着するのが、なにをさておきのセオリーともいえますが(そう考えると、キャンプ地まで現実の住宅事情があてはまってしまうようで世知辛いですけど)。

 自分のフィーリング優先で大まかなロケーションを選んだら、次に、そこがテントを張る場所として適当かどうか検討します。そのポイントを少し整理してみましょう。

・テントを張る十分なスペースが確保できるか
・そのスペースがフラットで、テントマットで解消できないほどの凹凸、とくに岩がないか
・人の体重などの圧力がかかったときに、地面から湿気が浸潤してきたりしないか。とくに地面が地衣類に覆われているところは注意が必要。晴れて乾燥しているときはいいが、いったん雨がふると地衣類が水分をたっぷり含んで、水の上にテントを張ったも同然となる。
・落石の危険がないか
・川岸なら増水、海辺なら津波に襲われる危険性がないか。また、万が一そんな危険に遭遇した場合、背後に避難路が確保できるか
・ 落雷の危険性はないか(尾根の上や、独立した高い木のそばは危険)
  といったところです。

 でも、現実的には、すでに整備されたキャンプ場にテントを張るケースが多いわけですから、そんなときはあまり神経質になる必要もないでしょう。ただ同じキャンプ場内でも、サイトの条件は微妙に異なりますから、ここに上げたポイントを加味して、よりよい環境のサイトを選定するといいでしょう。とくに、フラットであることと、凸凹がないこと、なるべく地面が乾いていること、この3点は快適なテント生活を送る上でとても重要です。

・追記

 登山では、キャンプ地に到着するのは遅くとも日没の2時間以上前でなければならないといわれます。それは、午後は山の天気が急変しやすくなるので、なるべく早く安全な体勢でサイトに落ち着く必要があるためと、キャンプサイトの条件をきちんと把握して、安全なサイトを確保するためには時間に余裕を持つ必要があるためです。上記にあげたポイントをチェックするためには、当然、日のあるうちにキャンプ地に到着するのが望ましいわけです。

 いちどテントを設営して、装備などをほうり込んでしまうと、もっとよさそうなサイトをみつけても、またパッキングしなおして、テントを移動しようという気は起きにくいものです。そこをベースキャンプにして何日も滞在するような場合は、とくに最初の設置場所の選定が、後のキャンプ生活を左右することになるのをお忘れなく。

 

●テントの設営

 テントというと、林間学校やボーイスカウトでお馴染みの家型テントを連想して「設営が大変そうだ」と思う人が、いまだに多いようです。ですが、今のテントは、クロスさせたポールにテント本体を吊り下げるか、テント本体に設けられたスリーブにポールを通すだけで自立するドーム型が主流で、まったくの初心者でも、立ち上げるのにもものの2、3分もあれば十分といったお手軽なものになっています。しかも、グランドシートがウォールと一体になっているので、周囲に雨避けの溝を巡らしたりする必要もまったくありません。

 テントの設営で、押さえておきたいポイントは3つあります。第1は、テントを設置する地面をフラットに均すこと。少しでも凹凸があると、極端に寝心地が悪くなりますから、細かい石も丁寧にどけることが大切です。基礎工事のしっかりした住宅の居心地がいいのと同じことです。

 第2は、テントのゲートから風が吹き込まないように設置方向に注意することです。一般的に、沢沿いのキャンプサイトなら風は沢の流れに沿って吹くことが多いので、ゲートが流れの方向を向くようにします。海や湖の沿岸では、風は海と陸の間を往復するように吹きますから(時間帯によって海風になったり陸風になったりします)、海に対してテント側面を向けるようにします。その他の場所では、周囲の地形から、風の吹く方向を見定めてから、テントのゲートが風の流れに向かないようにセッティングしましょう。

 第3点は、フライシートとテント本体との間になるべく隙間を作ることです。フライシートがテント本体と密着してしまうと、テント内の換気が悪くなり、テント内部に結露が生じたりして不快なだけでなく、中でストーブを使ったりすると酸欠になる危険性もあります。以上の3点を押さえれば、快適なキャンプ生活が半ば約束されたといってもいいでしょう。

・追記

 第一の点は、それこそしつこいほど整地をすれば、その分快適さはアップします。ガレ場のようなところでは、完全に石を取り除くことは難しいですから、枯葉を集めてクッションにするといいでしょう。また、砂地は、一見そのままで気持ちよさそうですが、テント内で動き回るうちに砂が寄って凸凹が生じたりします。そのように軟らかな地盤のところでは、逆にある程度踏み固めておくのがコツです。踏み固めておくのは、雪上の場合も同じです。

 第二の点は、とくに突風のおこりやすい尾根や谷筋にテントを張るときにはよく注意しなければいけないところです。北アルプスの涸沢あたりでは、無人のテントが空を舞っていることがよくあります。トレッキングを終えてキャンプ地に帰ったらテントが丸ごと飛ばされていたなんて、目も当てられないですよね。とくに、グランドシートと一体になったセルフスタンディングのテントが主流になってからは、風をはらみやすいので、要注意です。

 だんだん設営に慣れると、ずぼらになってきて、ペグも打たずに、「荷物がアンカーになるから大丈夫」なんて、ザックをほうり込んで安心したりしますけど、これも痛い目に会う原因となります。ぼくは、そのずぼらのせいで、テントを風で引きずられ、グランドシートにかぎ裂きを作ったことがあります。どんな場合でも、慢心は怪我のもとですね。

 第三点は、装備を選ぶという項でも触れましたが、「安物買いは銭失い」どころか「安物買いは命失い」なんて洒落にもならなくなりますので、テントは必ず品質のいいものを購入しましょう。それから、テント内で快適に過ごすためには、本体とフライシートの間の風通しをよくすると同時に、室内換気に常に気をつかうことがポイントだということをお忘れなく。

 

●究極のソフトハウスはビバーク

 究極のキャンプといえば、ソフトハウスさえもかなぐり捨てて、大地に直接横になって夜を過ごすビバークでしょう。肌で直接風を感じ、目を開けばいきなり星辰が飛び込んでくる。これ以上自然との一体感が味わえることはありません。

 夏の終わりから秋口にかけての空気が乾燥して爽やかな頃、テントの代わりにゴアテックスのシュラフカバーをザックに詰め込んで、人のいない乾いた河原を探して横になる。食糧は軽いドライフーズとちょっとした酒のつまみ。ナイトキャップ片手に星を眺めながら眠りにつくなんて、おつなものですよ。

・追記

 オートバイツーリングで有名な賀曽利隆さんは、野営ということではかなりユニークです。彼の寝床はグランドシートただ一枚だけなのです。世界中どんな場所でも、厳寒のパタゴニアだろうが、灼熱のサハラ砂漠だろうが、30年間愛用のグランドシート一枚を広げて、その上に着の身着のままで横になり、たちまち熟睡してしまいます。最近はゴアテックス製のウェアを愛用しているので、少々の雨なら打たれながら眠っているようです。新田次郎の小説、『孤高の人』のモデルとしても有名な加藤文太郎は、厳冬期の北アルプスで、ハイマツの下に雪洞を掘って潜り込むと、油紙一枚にくるまって眠ったそうです。人間、慣れれば、そうとう環境に適応できるみたいです。

 

●テント内外のレイアウト

 パッキングのコツは、装備の重さや使用頻度を考えて合理的にしなければならないとパッキングの項で紹介しましたが、テント内外のレイアウトについても同様のことがいえます。

 テント内はきちんと整理しておかないと、居住スペースが狭くなって窮屈なばかりか、ストーブを倒して火事を起こしたり、緊急に避難しなければならない事態に陥ったときに逃げ遅れるようなことになってしまいます。

 普段私たちが生活している家は、玄関、台所、寝室と目的に応じたスペースに分かれていますが、狭いながらもテント内もそれぞれの機能を受け持つスペースに分け、装備を整理しておくように心がけましょう。

 玄関に相当するのは、タープの張り出した前室スペースです。シューズや雨具、その他の汚れものはここに収納します。強い雨が降って前室に吹き込んだり、冬期でシューズの凍結が考えられる場合は、テント内のゲートに近いところにポリ袋などを広げて、そこをげた箱代わりにします。

 ストーブ、コッヘル、食糧、マッチ、予備燃料などは必要なとき以外は邪魔になりますから、まとめて端のほうに寄せておきます。、ヘッドランプ、ナイフ、カンティーンなどはいつでも手を伸ばせば取れるように、枕元に置いておきます。衣類を入れたスタッフバッグは枕代わりに、空のザックは足元に敷いてテントマット代わりにします。

 テントの外を調理スペースとする場合は、テントを風除けにして、風下側で調理をするといいでしょう。直火が許されている場所なら、ぜひとも焚火で夜の雰囲気を盛り上げたいところですが、焚火もテントより風下で起こすのが鉄則です。風上側で焚火をすると、火の粉が飛んでテント生地に穴をあけたり、最悪の場合はテント焼失なんてことにもなりかねません。

・追記

 ぼくは、ヘッドランプや時計などとともに、かならずナイフを手の届くところに置いています。動物に襲われたり、テント内で火事がおきたりといった不測の事態に見まわれたとき、ゲートのジッパー手探りしていては手遅れとなる可能性があります。そんなときは、ナイフで本体を切り裂いて、外に脱出しようというわけです。

 

--FOR EXAMPLE--

●オートキャンプの場合

 オートキャンプの場合、テーブルやストーブ、ランタンを外に並べるのが普通ですから、それらとテント、タープの位置関係(レイアウト)が問題となります。先にも紹介したように、テントを風避けにして、ダイニングセットは風下側にレイアウトするのが一般的です。

 オートキャンプでは、テントの中にいるよりも、タープの下のアウトドアリビングで過ごす時間のほうがなりますから、ここの環境を最優先します。平らで風通しのいい場所を選んでタープを張ったら、風上側にタープの下にゲートが入るようなレイアウトでテントを張ります。さらに、テーブルをタープの傘の下中央に配置し、ストーブ、シンク、ウォーターキャリア、クーラーバックなどを集中して端のほうに配置します。このとき、排水の方向に注意しましょう。一見平坦に見える土地でも、微妙な傾斜があるものです。水周りは、必ずアウトドアリビングの中でもっとも低い場所に設けるようにします。もちろん、テント方向にも排水が流れていかない位置にしなければいけません。

 さらに、ランタンはテーブルの上に置くと目が光源に向いてまぶしいものです。これは、タープのポールなどを利用して、アウトドアダイニング全体に光が回る高い位置にセットしましょう。できれば、ランタンを二つ以上用意し、テーブルを挟んで対角線に配置すれば、陰ができにくく、調理などの作業もしやすくなります。テント内の配置は、先に紹介したベーシックな方法と基本的に同じです。

 

 

 

 
 

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